半年読んできた。
『眠られぬ夜のために』第一部
「10月4日
現代人が、キリスト教という永続的な心の平安にいたる道に背を向けるのは、キリスト教本来の証しが原因ではない。
(中略)
彼らが反感をもつのは、この宗教の人間的な担い手に対してである。
(中略)
まず、それら『周りにからみついている』一切のことをすてなさい。
さらに、それでもなおいくらか懸念を感じるならば、
今日の教会に頼らなくてもよい。
しかし、心からの願いをこめて、
『主よ、私をお助けください』といいなさい。
この祈りはすでに多くの人々を救ってきた。」
(岩波文庫:草間・大和訳)
このブログを立ち上げて、ようよう半年きた。
毎日、ヒルティ『眠られぬ夜のために』をちょっとずつ読んで、
心に触れたことがあったら、
時間があるときにだけ、
書く、という実に気まぐれなブログではあるけれど、
累計アクセス数も半年で6000を超えました。
記事に関して助言や感想をくださった方々には、ずいぶん学ばされました。
みなさま、本当にありがとうございます。
今日は、半年読んできて、『眠られぬ夜のために』の全体的な感想を述べたい。
『眠られる夜のために』はロングベストセラーである。
わたしの手元の本で、49刷。
第一刷は今から32年前だ。
岩波文庫が一回で何部刷るのか分からないけれど、
わたしの勤務先だと、文庫は一回につき、最低1000部くらい。
初版が1万とすると、累計でおおよそ6万部程度だろうか。
タイトルに惹かれて本屋で手にした人も多いかもしれない。
魅力的なタイトルである。
宗教を問わず、ヒルティには励まされたり慰められたり人も数知れず。
それは彼の知性の高さ、信仰の深さによるものだ。
岩波文庫の訳者の一人、大和邦太郎氏によると、
ヒルティは若かりしころ、たくさんの書物を読みふけったものの、魂の乾きを癒すものはなかった、という。
どんな哲学や理論、神学さえも、生死の大問題を解くことはできない。
そうして行き着いたのが、
「イエスの福音に信頼して生きるよろこび」であった、というのである。
そこで、ヒルティは、
後輩たちが行き詰まったり寄り道をしないよう、助言を書こうと思い立つ。
教会でさえも、理性に解しがたい古くからの教理を丸呑みさせようとして、多くのまじめな求道者をつまづかせている。
「これに対してヒルティは、福音書のイエスの教えを素直に受け入れて、実行してみよ、
そしてその真実をためし、それによって心によろこびが与えられることを経験できたら、その教えを信じたらよい、と薦める。」(岩波文庫解説)
そしてそのことばは、
「すべてがきわめて実際的であり、簡明で的確なものである。
教えられる者の精神を力づけ、その生活と実践に有益なものばかりである。」(同)
まあ、まずはやってみな、それでよかったら信じてみな、というヒルティの助言はなかなか現実的。
ゆえに、キリスト教徒の少ないこの日本においても、多くの人をひきつけてやまないのだと思う。
翻訳者の大和氏は、
「この書を読む方は、たえず聖書をかたわらに置いて、著者の引用箇所を参照する労を惜しまないでほしい」とも言う。
これが、聖書通読がなかなかできない怠け者クリスチャンのnikkouにもポイント高し、でありました。
ヒルティ爺さん、本当にありがとう。
ただ、一点だけ、半年間気になっていることがある。
ヒルティがよく参照として揚げている「同胞賛美歌」である。
いつも賛美歌番号がぽつんと示されているだけで、
歌詞がわからない。
当然ながら、nikkou手持ちの日本基督教団編の讃美歌集とは違うみたい。
このヒルティの讃美歌集がほしい、とひそかに願っている。


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