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April 11, 2005

募金すりゃいいってもんじゃないらしい

4月10日『眠られぬ夜のために』

「善に対する怠慢は、きわめて大きな欠点である。おそらくあらゆる欠点のなかで最も大きいものかもしれない。というのは、そこになんらよい面が見あたらないからである。」

「…怠惰な金持ちがたくさんいる。彼らはそのあり余る金の一部を、よく選択もせず、ときには大して善意すらなく、なにかの団体や施設に寄付すれば、それでもう大きな善行をしたつもりでいるのだ。」
(岩波文庫版:草間・大和訳)


昨年から今年にかけて、とにかく自然災害が多い。
でも、被災者の方たちには、うかつに「神の試練だ」なんて言えない。
自分自身でそう思うならともかく、現地にいなかったし、これからそこで生活することもないのに、そんなことばを吐いたって、実際につらい思いをしているひとたちには、高みの見物にしか聞こえない気がする。

だから、わたしは、せめて「善に対する怠慢」つまり、「見てみぬふり」をしないようにしよう、とは思う。

しかし、とりあえず募金箱にお金をいれればいいや、という態度も怠慢だ、と、ヒルティは容赦ない。
ヒルティの読者である先輩の方から、「ヒルティは常識的な人だった」とのメールをいただいたけれど、
こんな一文を読むと、常識を通り越して、良識的な人だったんだなあ、と思う。

震災直後は、「とりあえず」という気持ちで、赤十字に募金した。
その後は…スミマセン、一銭もしていません。
というのは、あるとき、ふと、募金は新潟とスマトラだけでいいのか!?という思いがむくむくと頭をもたげてしまったのだ。もちろん、震災復興支援に多額の資金援助が必要なのは、百も二百も承知である。

しかし、しかしなのだ。

同時期に、三宅島の帰島が始まったではないか。
そして、スマトラに募金しようと思ってインターネットを調べると、アフガニスタンへの医療援助やら、パレスチナの就学支援やら、パキスタンの女性の自立支援やら、なにやらかにやらが、同時にワラワラとあがってきてしまうのである。ああ、もう、全部いっぺんに、なにかに使ってください!と赤十字にお金をあげちゃおうか、という気にはなる。そうするには、わたしのとぼしい給料はあまりに無力だ。
世の中、お金が必要なひと、たくさんいるのね。

でも、ヒルティは、じつに、じつにすばらしい聖書の一節を引いてくれた。

「全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとしても、愛がなければ、わたしに何の益もない。」(コリントの信徒への手紙13章3節・新共同訳『聖書』)

とりあえず、なにかしたような気になるから、お金をおくっておいた、じゃ、なんの意味もないのね。

と、いうわけで、今、わたしが考えているのは、お金が必要なひとたちのことをよく知ることから始めようかな、ということである。
スマトラでは、食糧援助や医療援助のほかに、両親を失った子供のための施設作りとその精神的ケアといったきめこまやかな活動をしているNPOのことが、新聞に出ていた。
なんでもいいから、とりあえず、ではなくて、何が起きていて、何が必要なのか。自分の意思で考えて自分の意思でささやかな援助をする。なにより、そんな苦しい思いをしているひとりひとりについて思いをめぐらす。
イエス様の愛について、NIKKOUなりに考えると、そういうことなんじゃないかな、と思う。

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