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June 01, 2005

疲れはてて、落ち込む前に祈れ

6月1日『眠られぬ夜のために』

「神の慎重な、ゆるやかな導きは、
みずからそれを体験しないかぎり、
だれもが信じがたい、最も不思議な経験の一つである。

それはいつも苦痛と不安とを通して行われるものである。
人はたえず、自分の所有する一切のものを捧げ、
とくにこれだけはほんとうに自分のものといえる自己の意志をも、
完全に神にゆだねる覚悟をしなければならない。
そうすると突然、新しい段階が開けてくる。」

(中略)

「自分で選んだ道では、たいてい、いたずらに飛び立とうとはばたいた挙句、
疲れはてて、また世間並みの考え方に落ち込むにすぎない。」

(岩波文庫:草間・大和訳)

ここ一ヶ月ばかり、nikkouは、仕事で営業外回りの日々である。
荷物は重いし、雨だったり暑かったりするし、訪問先はたいがい初対面の人だしで、消耗することこのうえない。
疲れると、たいがい自信喪失をする。

おとといは、帰宅するなり友人に電話をし、ジメジメ泣き言をこぼした。
友人はあれやこれやと励ましてくれたが、
nikkouが一向に機嫌を直さないとみるや、きっぱりとこう言った。

「祈ろう。」

…友よ、正直に打ち明けますと、nikkouはそのとき、祈る気分じゃありませんでした。
頭ン中に砂が詰まったみたいで、祈る言葉なんて出て来やしないんだもん。

それでも、受話器を握りなおし、電話機の前に居住まいをただし、素直に目を閉じた。

友は祈った。
今日一日、nikkouが神に守られたことを感謝し、
神に信頼して明日を恐れぬよう、
もし、今、nikkouが神への信頼を持てずに明日を恐れているのなら、その罪を許してくださるように、
と祈った。

友の祈りに導かれて、nikkouは、今日の一日を省み、静かな思索へと降りていった。
…今日は雨の中の緑がとても美しかった。

思い巡らせば、この不快感は肉体的な疲労感にすぎない。
つぶさに振り返れば、なにも悪いことは無かった。

今日一日の仕事をなすために、多くの同僚たちの努力があった。

私がこの仕事に就くまでにも、私は豊かな環境の中で育まれ、さまざまな人たちとの出会いがあった。

たしかな一日一日の上に、今日があった。充実した一日であった。
明日のことも思い煩うのはよそう。

次第に心が静まり、あたたかくなる。
…主よ、感謝します。
今日までの出会いに感謝します。
今日、またひとつ、出会いが与えられたことに感謝します。
明日もまた、あなたにゆだねます。
と、nikkouも続いて祈った。
受話器を通して、友が「アーメン」とささやいた。

不思議なことだ。
人に話せば重たい愚痴となることも、
時と空間を越える存在、主に語れば、些細なこととなる。
感情や気分に支配されずに、落ち着いたまなざしで眺められるようになる。
頭に詰まっていた砂が、さらさらとこぼれ落ちてゆく。

今日のヒルティが、今日のnikkouには、深くうなずける。

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