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June 04, 2005

ありがとう、アンドレ・クラウチ

6月4日『眠られぬ夜のために』

「ヨハネの黙示録三の二〇には、
神の霊が心の戸の外に立ってたたくとき、われわれがその戸を開ける
とされている。
つまり、
われわれの願いに応じて神の霊がより善き生活の戸を開けるのではない、
という意味であるが、
これは人間の意志の自由についての重大な見解である。」
(岩波文庫:草間・大和訳)

先週、アメリカのゴスペルシンガー、アンドレ・クラウチが来日、
そのライブを聴きに行った。

http://committed.jp/gospelfest/
現れたのは、でかいおじさんだった。
野太いガラガラ声、のったりのったりした黒人英語。
「日本には、友達のおかあさんのbirthday partyで来たんだ、
まさか歌わされるとは思わなかったから、バンドもないし、バックコーラスも少ないよ」
とコテコテのアメリカンジョークで会場を沸かせつつ、
アンドレらしい口ずさみやすい旋律の、明るい曲をいくつも聴かせてくれた。

そして最後に、アンドレは、こんなことを話した。

「一年九ヶ月前、突然、母が死んだ。

…その日、実家に寄ったら、母が今日は泊まっていけっていうから、
母の部屋で寝たんだよ。
でも、『いびきがうるさい!』ってたたき起こされて、
しかたないから帰ったんだ。(会場・笑)
次の朝、父から電話があって、『母さんが死んだよ』って知らされた。

その半年後には父が死んだ。

そしてその2ヵ月後、兄も死んだ。
兄が礼拝をめずらしく休んだんで、電話したら、おなかが痛いっていうんだ、
それから、すぐだった。」

こうしてパタパタと身内が亡くなってゆく中で、
アンドレ自身も癌になった。
信仰がゆらぎそうになった、という。

「神様がね、それでも、歌え、って言うんだ。
こうやってね、『聴いているから』って。」
と、アンドレは片頬に手を当てて耳を傾けるジェスチャーをして、会場はすこし笑った。

「癌は治った。だからこうして日本に来られた」
とアンドレは言う。

けれども、ふとnikkouは思った。
アンドレが地上で歌うことのできる日数は、もう長くないのかもしれない。

もしそれならば、どうか、神様、アンドレに伝えてほしい。
アンドレ、あなたの人生は神様に用いられていたよ、って。


  3年前の4月1日、お稽古事として始めたゴスペルのスタジオで、
  アンドレ・クラウチの「Jesus is the answer」を歌った。

  「もし、君の頭上に青空が見えないのなら、
  もし、目の前の山が高くって、とても登れないと思っているのなら、
  どうか、知ってほしい。

  イエスは答えだ。」


  nikkouに、この歌はこう聞こえた。

  人生は難題だらけだ。取り組むこともつらいだろう。
  でも、あきらめたり、分かったふりをしないで。
  答えはきっとあるから。
  イエスはそのことをわたしたちに教えてくれたんだよ。

  「求めなさい、そうすれば、与えられます。(マタイによる福音書7章7節)」

  そして、この歌が、
  イエスを信じられなかったわたしの背中をぐっと押してくれた。
  この歌こそ、神の霊が、戸をたたく音だった。

アンドレは、最後に「Lord I thank you」(朝ごとに、あなたに賛美をささげられる喜びを感謝します)
という歌を歌って、さっとステージを降りた。
nikkouは、会場が明るくなるなり、ひとごみをかきわけ、かきわけ、
ステージに駆け寄ったけれど、
「もうアンドレは帰った」と言われた。

伝えたかった。
アンドレ、あなたの歌は、海を越えて、一人の日本人に、イエスを伝えた。
きっとあなたの肉体がこの地上からなくなっても、
神様はあなたの歌を用いるだろう。
だから、アンドレ、あなたがこの地上に生きて、神様を伝える歌を作って、歌い続けてきた事に、
わたしはとても感謝している。
ありがとう。

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Comments

文章の流れが安定していて、読みやすかった。nikkoサンの信仰の成り立ちが、わかってうれしい。

Posted by: k and s | June 05, 2005 at 05:14 PM

はじめまして。
昨日、調べものをしていた時に、導かれるまま、ここのページにたどり着いて、このメッセージを拝見しました。

私は2009年に Pastor Andrae Crouchに出会って、救われて、Pastorには、家族そろって 実の子どものようにかわいがってもらっています。
ここで書かれている日本で歌った時の話も、何度も聞きました。
それを、こうやってその場に居た方が、日本語でブログに残されている不思議。
神さんが、ここに私を導いたのにも、大きな役割があるんだろうなと思いました。

Pastor Andraeは、今も元気に牧師として、またミュージシャンとして活動していますよ。

今日、礼拝の後で ここで書かれていた内容を、Pastorに伝えました。
遠く離れた日本で、Jesus Is The Answerを聴いて救われた人が居る。
その人が、ありがとうって伝えたいって、ブログに書いてたよ。
って。

そしたらすごく嬉しそうで、神さん すごいなぁって 賛美してました。

日本の事がとにかく大好きで、日本へまた伝道に行きたい!といつも 言っています。
このブログが書かれて、約10年後の今 こうしてメッセージが本人に届けられるなんて、ほんとうに神さんの御業に、ただひたすら感動してしまいます。

どうか、Pastor Andraeの事、これからも祈っててくださいね。

では!
God bless you.

Posted by: 木下言波 | March 10, 2014 at 04:10 PM

木下さん
うわー。びっくりして、涙でちゃった。アンドレ・クラウチ、お元気ですか。よかった。
アンドレさんの歌は、CDで何度も何度も聴いていて、本当に大好きなんです。このときライブで聴いたガラガラ声にはちょっと愕然として、それでこんなことを書いちゃったんだけれど、よかった、本当によかった。
アンドレさんにお伝えいただいて、ありがとうございます。
10数年前の洗礼式には、友だちもたくさん来てくれて、みんなでJesus is the answerを大合唱しました。
とても大切な歌です。
いつまでもお元気でおられますように。
木下さんに(ネット上でですが)つながることが出来ましたことにも、心から感謝を。

Posted by: nikkou | March 15, 2014 at 02:27 PM

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Tracked on June 19, 2005 at 11:08 PM

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