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August 21, 2005

「奈美」さんは、大丈夫なんだろうか

8月18日『眠られぬ夜のために』

「もしも一人でも善に心をよせている者が地獄に入ってきたとしたら、
そして地獄のやからがその人を誘惑する望みがないとすれば、
悪人どもは彼と共にいるよりは、むしろ地獄をあけわたして立ち去るであろう。」
(岩波文庫:草間・大和訳)

ちょっとデリケートな話。

数ヶ月前の話である。
ブログの人気ランキングというホームページがあって、
その「恋愛」というジャンルで常に上位に入っているブログがあった。
18歳の女子高校生だという「奈美」ちゃんという女の子のブログである。

nikkouはこのランキングからこのブログにいきあたり、
それ以来、ちょくちょく見に行っていた。

彼女は、一時不登校になったそうであるが、
兄から親身に介抱され、
精神的な傷は癒された、というようなことを書いていた。
そんな兄が結婚してしまうのがつらい、とか、
幼馴染とのデートであるとか、
そういったことをつらつらと書いていた。
また、毎回、彼女は、自分の顔が写った写真を掲載していた。

nikkouは、まあ、そういうこともあるのかなあ、と思いつつ、
やはり写真の掲載はよくないだろう、その点、あんまり聡明な子ではないなあ、
一度メールして、
「顔写真を載せるのはやめなさいよ、世の中には、悪い人もいるからね」
ということを忠告しよう、とまで思っていた。

ところが、である。
ある日、「兄から恋愛感情を告白された」という意味の記事があり、
「え? そんなバカな。こりゃ、フィクションのブログだったかな」と思った翌日には、
「アダルトビデオに出ました、見てください」という記事になった。

つまり、このブログはすべて、
アダルトビデオの宣伝につなげるためのフィクションだったわけである。

このことを周囲の友人たちに話すと、たいがい
nikkouが世間知らずなのだ、と笑われるのであるが、
本気でショックでしたね。
一週間くらい、胸が痛かったですよ。

ショックからすこし立ち直った後、いろんなブログを検索した結果、彼女は実は「ちひろ」という芸名のポルノ女優であることが分かった。
また、この「奈美」というブログの結末にショックを受けた人も、少なからずいたことも分かった。

で、nikkouも物好きなことに、「ちひろ」の名前で検索してみたところ、
ぎょっ!とするようなタイトルとパッケージ写真のポルノビデオがわんさか出てきたのである。

カマトトぶるのではなくて、正直、nikkouは、ポルノのパッケージなどをまじまじと見たことなど一度もありません。
まあ、出張先のビジネスホテルで、アダルトチャンネルの番組表を見て、
荒唐無稽なタイトルに「へぇ~」と感心することがある程度であります。
ゆえに、nikkouの感想のほうが、世間一般からすると荒唐無稽なのかもしれませんが、
一言でいうなら、
「これは、性的虐待、というか、性暴力ではないか!」
ということにつきます。

「ちひろ」や「奈美」と名づけられた彼女は、大丈夫なのか。
本当に、このようなことが行われていたら、まず間違いなくなんらかの感染症になるだろう。
いや、ならなくたって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になるだろう。
深い、精神的な傷を負うだろう。病を患うだろう。
なぜ、こんなにひどく体と心を痛めつけるようなことを、彼女はしているのだろう。

nikkouも大学時代に習った、
「神殿娼婦」から始まって吉原や島原の遊郭だの赤線だの、といった売春の歴史やら、
明治以降、「苦界」から女性を救い出そうとするキリスト教徒の風紀運動から始まって
フェミニズム論者による、性産業の女性たちのための組合結成だの、人権擁護運動だの、
とった話は、
知識としては、うっすら知っている。
だから、ポルノ規制だのなんだのという話になると、ちょっとめんどくさいなあ、とも思っている。

でも、でも。
そういうんじゃなくって。
なんていうんですかね。
ごくシンプルに、
ありゃ、ひどいですよ。
人は、あんな目にあっちゃいけません。
あんまりにも痛ましいです。

世の中で何兆円といわれるポルノビデオ産業の中の、
たった一人の女の子がかわいそうだ、という
nikkouのつぶやきなど、何の力もないんですが、やっぱり、
どうにかならないものなのか。
「奈美」でもなく「ちひろ」でもない、あの女の子を、どうにかして助けられないものか。

私の主、イエスは、性風俗産業の女性をも助けられると信じている。
むしろ、彼は積極的に、彼女たちの元に行った。

「私はあなたたちに言う。徴税人と売春婦たちの方が、あなたたちより先に神の王国に入る。
なぜならば、ヨハネは義の道を示しながらあなたたちのところに来たが、
あなたたちは彼を信じようという気にならなかった。
しかし徴税人と売春婦たちは彼を信じた。」(マタイ福音書21章31節~32節)

主よ、本当に、彼女をなんとかして、助けてください。
っていうか、nikkouのほうが、まだ、ちと、ショックから立ち直れないんですけど。

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Comments

奥手ですな(笑)。男の子のきょうだいが居なかったことも関連しているのかな。
青年・成年男子ですと、そのような情報にさらされている可能性は高いです。
いちど、レンタルビデオで、立ち止まって、Adultコーナーの入り口を見てみてください。フツーの男子たちがぞろぞろ入っていくのがわかりますよ。
ポルノ解禁すると性犯罪が減るというデータもあって、難しいところです。
インターネットやファイル交換ではさらなる無法地帯が展開しています。

Posted by: Emotional YK | August 23, 2005 at 12:32 PM

>ポルノ解禁すると性犯罪が減るというデータもあって、難しいところです。

逆に誘発する、というデータもあるらしいですよ(『泣きながら夜を過ごす人にも』富永国比古)。
「サイバーセックス中毒」などの依存症や、ポルノを眼にしてしまった未成年者のPTSD(前掲書)など、総合的なディメリットと比較して、それでもポルノ解禁にするメリットはあるんだろうか。

ま、そういう「規制」「解禁」云々の話は別にして、YK兄のおっしゃるとおり、nikkouは世間知が低いので、殿方の事情については、よく存じませんが、
殿方は、ご自分が鑑賞しているそのビデオに出演している女の子が、
出演したがゆえに、精神的なダメージや、感染症の痛みに耐えているということに思い至ることがあるのだろうか、と思ったりする。

(森岡正博は「かわいそう」という思いに耐えつつ観る、なんて言ってたが。by「感じない男」ちくま新書。男性がポルノを見るのは自傷行為なんだそうだ。開き直りか?)

そもそも「奈美」(「ちひろ」)さんに限って言えば、
ビデオの内容からして精神科や産婦人科の診察が必要だろうと思うし、
もっといえば、「もうやめなよ、そんな心身に悪そうなこと~」といいたい。
余計なお世話なのかな。

Posted by: nikkou | August 23, 2005 at 11:34 PM

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