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September 07, 2005

一生、「求める」という希望

9月7日『眠られぬ夜のために』第一部

「本当の内的進歩が行われる仕方には、つねに三つの段階がある。

第一の段階は感激であり、さながら枯れ柴をもやすように、勢いよくパチパチと音をたてて高く燃え上がる火焔である。

第二の段階は、この炎々たる火がいくらか消え衰える状態であって、つい先ほどまで火焔そのものであった人と同じ人間とはどうしても信じられないことが多い。

第三の段階は、いつまでも燃え続ける石炭の火の、たえまなく暖かさをあたりにひろげる、静かな、変わりない焔に似ている。そこにはもはやすこしの動揺も変化もなく、その有益なはたらきはだれにもはっきり分かる。

人間の精神がなにか大事な問題で、この最後の段階にまで達したならば、
それは、内へむかっては平和、外へむかってはと呼びうるような、
あの活動的な平和を得ることになる。」
(岩波文庫・草間・大和訳*太字部分、原文では傍点)

いいですね~。
もう、何も書き足したくない気分。
はやく第三の段階にたどりつきたいと思うnikkouであります。
たぶんnikkouはまだ第一の段階。ブログで熱く神の愛を語るなんて、うひょ~若~い(笑)。

さて、これは「第三の段階」と思える人を紹介したい。
無教会のクリスチャンで平澤弥一郎さんという。
hirasawa

彼の著書、『75歳 ドイツで聖書を学ぶ』を読んだのは、わたしがイエスに出会う2年ほど前のことだ。
そのころノン・クリスチャンだった私にも、彼の心にふつふつとたぎる神への愛は響いた。
そして、そのユーモアに笑い、人生の積み重ねがつかんだ愛に泣いた。

タイトルにあるとおり、仕事からリタイアしても、人生はリタイアせず、
75歳、胸にペースメーカを埋め込んで、ドイツの神学校に留学、主を求め続けた。

そう、「求めなさい、そうすれば与えられます」(マタイによる福音書7章7節)の言葉は、
一生涯、尽きる事のない希望の宣言である、ということを、
身をもって示したのである。

彼はドイツ留学中に、ヒルティの墓参もしている。
彼の師、塚本虎二は終戦後まもなく、
「戦争に負けた日本の青年たちには、今こそ聖書とヒルティのものを読む絶好のチャンスだ」と言ったという。
また著者は、心配性の自分が、ドイツ留学を思い立つことができたのも、
ヒルティの
「とにかく思い立ったらすぐやり始めよ」という言葉に励まされてのこと、と言う。

この本が発刊されて数年後、nikkouも、クリスチャンとなった。
そして、驚く事に、この本を手がけた編集者と知己を得た。
「平澤さんに会いたい」と初対面の挨拶もそこそこに、そう告げたnikkouに、
「こんなに若い子が、あの本を」と、うれしかった、とその編集者は今でも言う。

平澤さんが、日本に帰ってきたら、
体調がよくなったら…、とタイミングをはかっているうちに、
平澤さんは天国へと帰ってゆかれた。
2002年、5月ごろだったか。79歳であった。

編集者とふたり、小さな飲み屋で、あの本について語り合った。
あの本が、nikkouに教えてくれた事を、彼に話した。
彼はうっすらと目に涙を浮かべていた。

この秋、平澤さんの跡を訪ねて、ドイツのマインツに旅する。
一週間にも満たない、ささやかなツアーであるが、
求め続ける世界の広さを、胸に刻んできたい。

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