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December 04, 2005

ホリエモンなんて、うらやましくないし~

『眠られぬ夜のために』第一部

「…有名な詩篇90篇は、おそらく最も古い祈りであろうが、今日もなお当時と同じように新鮮で美しい。

(中略)

…内容の豊かさと魂を揺り動かす力とにおいて、聖書にくらべうる書物は昔も今も存在しない。」
(岩波文庫・草間・大和訳)

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昨夜、学生のための就職セミナーに招かれた。
出版社に勤める社会人として、学生にアドヴァイスをしてくれ、とのことだった。依頼をくれた友人には、再三「わたしは、なんの役にもたたないと思うよ」と言っておいたのだが、実際、役に立たなかったようだ。

というのも、招かれた社会人のうちわけは、不動産(2名)、金融(4名)、商社(2名)、メーカ(2名)、マスコミ(nikkouと、某テレビ局スタッフ)といったところ。区分けに従ってテーブルに座ったわれわれ社会人のところに、学生が質問にくる、という仕組みである。
不動産や金融、商社は大盛況で、
nikkouに聞くことといったら、
「ぼく(わたし)は、あまり本って読まないんですけど、出版社ってどんな仕事をしているんですか」
「ぼく(わたし)は、本は好きなんですけど、趣味と仕事って別じゃないですか」
…もう、帰ろっかな~(笑)。

その後の懇親会で相席したのは某証券会社の営業マンで、nikkouと同い年くらい。
いわく、「成功した人から話を聞かないと、意味がない。ホリエモンの本は参考になる。役に立たない人は友人とは言えない。人生は一回しかないので、夢をかなえないと意味がない、自分の夢は、1億円を稼いで、退職して世界一周をすること、そして、子どもと孫に経済的な負担をかけさせないこと…うんぬん」
それに、「そうですよね~」「あ~わかります~」とかあいづちを打つ学生諸君。

んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
なにかなー、この恥ずかすぃ~感じは。
いや、お金を稼ぐこと自体は、けっして悪い事ではない。
nikkouが最近愛読している「クリスチャン女性中間管理職のLOHASライフ」のLammyさんや、「思い悩むな! 」のゴトウさんは、一生懸命働いて、それなりの利益を得ていて、すがすがしく、かっこいい。
彼女たちと、このお兄さんたちとの違いはなにか。
知性?教養?品位?哲学?目的?理想?

nikkouの勤めている会社はよく、「採算度外視した良書を作っている」といわれたりするが、とんでもない。
ちゃんと原価計算をし、定価部数を決定し、在庫管理をしている。印税も社員の給料も出てます。
とはいえ、出版界全体の一年分の売り上げ額は、某自動車メーカー1社の一年分のそれにも及ばない。本のベストセラーをテレビの視聴率に換算すると、番組は打ち切りになる。だいたい、ベストセラーになっても有名になるのは著者であって、編集者ではない。
出版とは、経済的な成功からも、社会的な名声からも遠い商売である。

会社で、同僚(nikkouの1コ下)が、頬を紅潮させて帰社する。
「○○先生に会ってきた。やっぱ、頭のいい人だった。ほんとうにすごかった!」ときらきらと輝いて言う。
ホリエモンには嫉妬しないけれど、そんな彼女に、嫉妬する。
また、彼女の編集した本が仕上がって、ぱらぱらと開くと、「うわっ、センスいいなあ~こんなところに、こんなに綺麗な図版をいれやがって~」と息をのむ。
三木谷さんには嫉妬しないけれど、そういう本を見ると、嫉妬する。

「社会的に成功した人」ではないけれど、日のあたらないところで、こつこつと研究や創作活動を続けてきた人の、
その仕事に胸を打たれて、
「本」という形あるものに残すことをお願いし、
それを手にしてくれたどこかの誰かの心に、なにかの影響を与える…
という仕事も価値がある、と思うけれど、
ま、「社会的に成功した人」以外の人の話は聞いても意味がないし、
だいたい、ホリエモンの本以外の本なんて読まないよね、めんどくさいし。
お呼びじゃなかった、ということで。

200512031518000
おりしも、徳島聖書キリスト集会の吉村孝雄さんから「いのちの水」という小冊子が届いていた。
「神の言葉に従ったら明白なよいこと、例えば人びとからの称賛や豊かさ、健康、家族の平和、よい職業などが与えられるという保証はない。」
「キリストの言葉、神の言葉に従うことは、何かこの世的によいことを期待することでなく、未知の世界に飛び込む決断なのである。それは、神の言葉が何ものよりも強く魂を導き、やむにやまれぬものが内からうながすのである。」
「キリストに従って、その言葉を聞き取り歩んでいくときには、どこまでも続く恵みの深みの世界へと導かれ、想像することもできない霊的な世界へと導かれる。」

帰って、ヒルティを開けば、詩篇90篇はすばらしい、という。
「わたしたちの生涯は御怒りに消え去り
人生はため息のように消えうせます。」(9節)
「わたしたちの神、主の喜びが、わたしたちの上にありますように。
わたしたちの手の働きを わたしたちのために確かなものとし
わたしたちの手の働きを どうか確かなものにしてください。」(17節)

nikkouが、金銭的な見返りの少ないこの仕事においても、主に感謝し、主の栄光を現すことができるよう、祈ることができるのは、こうしたクリスチャンの先輩たちの励ましがあってのことだ。

就職セミナーで「nikkouさんのおすすめの本はなんですか?」と聞かれた時、「好きな本って、聞くとその人の知性のほどがばれるよね」なんていやみをいわずに、「聖書。」とひと言、言えばよかった。

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Comments

yondeite namidaga deru yo.yoku mo kami wa anatano youna subarashii hito wo ware ware no nakamani kudasatta noka.
gomen nae .Kani yori.

Posted by: sugiyama katsumi | December 04, 2005 at 06:13 PM

nikkouさん、お褒めに預かり光栄です!
商売をしたい人はマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読むといいと思います。名著です!
要は仕事の目的は何かということですね。金は手段にすぎません。
堀江さんにも三木谷さんにも興味はありませんが、同じIT関連でも孫正義さんのビジョンは素晴らしいですよ。孫さんのことはいつか書きたいと思っています。

Posted by: ゴトウ | December 05, 2005 at 07:05 AM

>祖父上

過分なお褒めをいただき、恐縮です。

「祖父ネット」ことsugiyamaさんも、建築関係でずっと大きなお仕事をしてきた方ですが、今は相談役として一線を退き、「余生は宣教だ!」とブログを立ち上げたとのこと。
いつも、仕事仲間やお友達に、聖書やイエスのことを語ったことを愉快そうにお話してくださって、聞いていてとても痛快です。
金銭より大切なことを知っているクリスチャンの先輩のひとりです。

>ゴトウさん

そうか、「ビジョン」だ!
ビジョンがないのに、あたかもあるように語るから、聞いていて恥ずかしかったんだ!

まあ、でも30歳そこらでビジョンがある人なんてそうそういないのだから、それならそうと、最初っから、「今は自分が食っていくのでせいいっぱいだけど、いずれ嫁さんや子供や、できれば孫くらいまで食わせてやって、定年退職したら自分へのご褒美で世界一周くらいはしたいな」って言えば、ほほえましくっていいのに。

仕事も金も、「ビジョン」への手段ですね。
そういえるような「ビジョン」を捜し求めたいな、と思う。
今は漠然と、神様の大きな計画に、小さくてもいいから使われたい、と思うだけだけど。

孫さんの記事、楽しみにしています。

Posted by: nikkou | December 05, 2005 at 10:14 AM

こんにちは、お褒めいただきありがとうございます。

「サーバントリーダーシップ」という本をの中で、権力と権威の違いについてとても詳しく書いてありました。イエス様は権力はありませんでした。しかし、その言葉と行いには権威がありました。著者も熱心なクリスチャンですし、完全に聖書に基づいているビジネス書ですので、一度読まれてみると面白いと思います。(こういう宣教の仕方もあるんだなあ、と目鱗でした)

おそらく、その証券マンは権威ではなく権力が欲しいんですね。そしてそれは、クリスチャンからみると、とっても恥ずかしい感覚がするのだと思います。

自分中心の人には権威がないですからねぇ。

Posted by: Lammy | December 05, 2005 at 01:00 PM

>Lammyさん

「権威」と「権力」!
また、重要なキーワード、鋭いご指摘ですね。
なるほど、「権威なき権力者」とか「貧しくとも権威ある人」なんて、言ってみると、その差がはっきりする気がします。

こんどの年末年始の読書は『サーバントリーダーシップ』と『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』だな。

また会うかどうか、わからないけど、かの証券マン氏よ、ホリエモンを読んで感心しているばやいじゃないぞ。

Posted by: nikkou | December 06, 2005 at 08:02 AM

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