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August 13, 2006

奈良放火事件の高校生のために祈ろう

『眠られぬ夜のために』第二部

「8月11日
人間を愛する事ができなければ、
かれらを恐れざるをえない。
かれらに対して無関心になることはできないし、
かれらからすっかり縁を切ってしまうこともできないからである。」

(筑摩叢書:前田敬作訳)

ヒルティは本当に面白いことを言う。
人を愛せない者は、人を恐れる。

逆にいえば、愛している相手は怖くない。
相手が怖いのなら、愛してみよ。
イエスの言葉に置き換えると「汝の敵を愛せ」ということか。

奈良の高校生が、家に放火して義理のお母さんと妹を殺してしまったという事件について、nikkouの周囲の男性たちがえらく同情している。
彼は、本当はお父さんを殺したかったのに、怖くて殺せなかったという。
ヒルティの言い方でいえば、彼は、
愛することができず、無関心でもいられない父を、恐れるしかなかったんだろう。

男の子は、10代の後半くらいに、一度は彼と同じような思いを抱くものなのか。
nikkouの聞いた限りでは、
一度、父親をぶん殴ったら、「あ、俺、親父を超えてた」と気づいて楽になった、という実力行使派もいれば、
ひょんなところでお父さんのみっともない姿を見て、お父さんが怖くなくなったという人もいる。
クリスチャン男性の中には、
自分の罪が主イエスにあって許されていることに気づいたとたん、
相手のことも許せるようになったという人がいた。
だれもが、
「もう少し早く、お父さんは怖くないって気づいていれば、あんなことにならなかったのにねー」という。

クリスチャンの友人たちの中でも奈良の彼のことが話題になった。
それぞれ、お父さんとの葛藤を乗り越えてきたという男性たちが口々に、
「お父さんも自分も同じ、神の被造物であることに、彼が気づくといいよね。」
「それに、自分の罪もお父さんの罪も主には赦されていることにも気づくといいね。」
と言う。
親も子も、神の被造物とは、なんとまあ究極の平等思想であることよ―と、nikkouもクリスチャンながら、これはすさまじく新鮮な発想でした。
自分の親をそういう観点から見たことは一度もなかったし。
新聞で読むかぎり、ほんと、あの親子にはそういう「考え方」というか「救い」が必要かもしれないね。
ふたりの心が癒されるよう、祈ろう。

ちなみに女子も、お父さんが嫌いになる時期というのはある。
我が家もわりに、勉強しろ勉強しろとうるさい親でしたが、
対抗して、「風呂からフルチンで出てくるな」とか「うんこした後に手を洗わないであちこち触るな」とか「散歩ばかりして犬みたいだ」とか「ウヨク!」とか、と、
妹たちが言うには、「お姉ちゃんが一番お父さんをいじめていた」そうです。そうかなー。父さんごめんよ。でも、自分には父が「怖い」とか「超えねば」という意識はなかったように思います。自分の方向性を模索する時期になんとなーく「わずらわしい」と感じる存在ではあったけれど、結果、特に道もそれず、トラウマも感じずにここまできたのは、うちの親がまあまあよく出来た人たちだったんだろうか、とも思います。
この長いつきあいのなかで、今では両親ともnikkouの価値観もきっと誰よりも理解してくれていて(というかあきらめていて)、父とも母とも仲良しです。

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Comments

Komento ga nai toiunomo mezurashii ne.Matta ku Ojiichan mo kodomo ga nakute yokatta yokatta.Orenan za korosareta imasu. Sugi

Posted by: kkss | August 14, 2006 at 08:56 PM

あの事件のことは、ウチでもヨメさんとよく話しました。
ヨメさんが言った言葉ですが
「結局、一番かわいそうなのは、死んでしまった義理の妹とお母さん。そしてその親族だ」と。私も同感です。
死んでしまった二人の為にどれほどたくさんの人が涙を流しているか、罪を犯してしまった少年がそのことに気付いてくれる事を、私は祈ります。

Posted by: y.yamaguchi | August 14, 2006 at 11:24 PM

>杉祖父

まあでも、杉祖父には、われわれのように子どものような若い友人たちがたくさんいて、それもまたYOKATTA,YOKATTAじゃないの?(って厚かましい?)

>山口さん

ほんと、そうですよねー。
nikkouがあの奥さんの立場だったらと思うとやりきれないですね。
亡くなったふたりと、ご家族のこともお祈りしたいと思います。

Posted by: nikkou | August 15, 2006 at 10:22 AM

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