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November 29, 2006

敵か友か、のその先が

『眠られぬ夜のために』第二部
「11月29日
わたしは、わたしの生涯のすべての時期にわたって、多くの敵をもってきた。しかし、どの敵もわたしをすこしも傷つけなかったばかりか、多くの敵は、わたしに積極的な利益をあたえてくれた。その反対に、友人たちからは、概して本当の励ましを受けたことは、ごくまれであった。わたしのこの経験を生かしていただきたい。
友情は、きわめて高貴な宝である。そして、敵をもつということは、つねに不快なことである。
しかし、真の内的および外的進歩・向上との比例からすると、人びとは、友人(味方)をあまりに熱心に求めすぎ、敵をあまりにもはなはだしく、また不必要に恐れすぎる。」

(筑摩叢書・前田敬作訳)

・・・なんか、ヒルティって時々やなじじい、あ、もとい、前向きな人ですねー。

b_say_soさんが、ずっと前の記事にリンクを貼ってくださっていた。ありがとう。そういえば、そんなことを書いたことがあったなあ、と気恥ずかしく思い出しました。
あれから、少しは進歩したかというと、ぜんぜんそんなことなくって、あいかわらず人付き合いが下手でおります。

ヒルティ翁が言いたいのは、「敵は全面的に悪じゃないし、友は全面的に善じゃない」ということなんだろうと思う。
それは分かるんだけど、nikkouが悩むのはその先なんだよな、と思う。敵味方の二色じゃないのは踏まえた上で、その間の「親しさのバリエーション」というか「グラデーション」Amitenscaleってのが難しい。相手はそのどこに属しているんだろう、ということが、この歳になってもよく分からない。
だから、ぐーっと近くまで迫りすぎて誤解されたり、逆に距離をとって無礼に思われたりする。それで傷つけた人たちには申し訳ないとも思う。
…そして、その都度、正直、「ああむずかしいなあ」と思ったりする。

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ただ、敬虔ぶるわけじゃないけれど、nikkouにとって主イエスとの出会いはやはり特別だったデスヨ。肉体をもった生身の人間との出会いを、「出会い」のすべてだと思っていた自分にとって、人間ではない「人格」との出会いは衝撃的だった。さもなくんばこの国でクリスチャンやってません。(一年に最低3回は言われるよね、「日本人はクリスマスと除夜の鐘と初詣を同時に楽しめるという寛容で素晴しい国民なのであって、日本人のくせにキリスト教だけっていうのは、とても不健康なんじゃないの?」って。)

韓国の教会の熱狂的な祈りにびっくりした、と書いたけれど、
ここだけの話、nikkouだって、たまには涙をぼたぼた垂らして、カレシの胸板を叩くがごとく、畳をこぶしで叩いて祈ること、あります。…ただし、人間様が誰も見てみないところでなら、だけど。
他人に関しても、うっと言葉につまる、という涙には感動するんだけれど、だらだら涙を流して泣かれると、つい引いてしまう。…なんていうか、生の感情に触れたくないし、見せたくないんだな。

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先日、某出版文化賞のお祝いのパーティに出た。あいかわらずnikkouは初対面の人たちとの距離感がわからなくて所在がなかった。にもかかわらず、同僚から「nikkouはしゃぎすぎ」と笑われて、…もー出家しちまおうかなー、でもプロテスタントのキリスト教には「出家」って制度自体がないんだよな…なんて考えてた。
二次会でへろへろ酔っ払っていたら、おりしも、nikkouを笑った同僚がやっぱりへろへろ酔っ払った顔で言った。「以前さ、もう出家してやろう、禅宗にしようか浄土宗にしようかくらいまで追い詰められてたらさ、この人(同席していた著者。国文学者。)の本が出てさ、もう、1ページごとに泣けて泣けて、ああ、まだこの社会から逃げたらだめだ、って思ったんだよね」
「それは、自分も編集者としてもうひと働きしなきゃ、って意味ですか。それとも、出家したら本が読めなくなるってことですか」と聞いたら「いやあ、そんな単純なことじゃなくってさあ、なんていうか、…いい本だったの」と言われた。よくわかんねーや。

話をもとにもどすと、主イエスは、「神の国と神の義をまず求めなさい」と言い、「神の国はあなたがたのただなかにある」と言うから、人々のただなかで、わが主を求め続けるしかないのかなと思う。

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