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July 10, 2007

イエス様しか言っちゃいけないことば

新約聖書 ヨハネによる福音書 9章2節3節(小林稔訳 岩波書店)
「ラビ(先生)、盲目で生まれたからには、だれが罪を犯したのですか。この人ですか。それともその両親ですか。」
イエスが答えた。
「この人が罪を犯したからでも、その両親でもなく、彼において神の業(わざ)が顕れるためである。」

先日の武義和さんのワークショップに、交通事故で九死に一生を得た、という若い男性が参加していた。
この彼が、「交通事故を通して、自分はイエス様に出会った。交通事故がなかったら、一生キリスト教とは縁がなかったかもしれない」と言った。
すると、それを受けて、武さん、「今の彼のことばは、本当にすばらしくって、僕は胸を打たれたけれど、でも、僕が彼に、『君は、イエス様に出会うために交通事故にあったんだね』なんて、絶対言っちゃいけないんだよね。」と言った。
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そして、続けて、こんなお話をされた。
武さんは新垣勉さんという盲目のテナー歌手と親しく、新垣さんのドキュメンタリー番組の音楽担当をなさったりしているのだけれど、この新垣さんが、あるとき、ある牧師からこういわれたのだそうだ。
「あなたは、目が見えなくなったことによって、神様の栄光を表すことができるのですね」

たしかに、主イエスは、盲目の人にこう言っている。「この人が目が見えないのは、この人の罪ではなく、両親の罪でもなく、神のわざが顕れるためである」

しかし、新垣さんは、この牧師からそういわれて、「すっごくむかついた」んだそうだ。
武さんは言う。
「その言葉が言えるのは、イエス様だけだ」

nikkouは、今から7年前、4姉妹の末の妹を亡くしているのだけれど、当時、それを知ったクリスチャンの友人が、さかんにnikkouを教会に誘った。(新大久保にある、とっても大きな教会で、今でもゴスペルのイベントでちょくちょく行く。)
そんでもって、その友人が、nikkouにこういった。
「妹さんが亡くなったのは、nikkouちゃんがクリスチャンになる、チャンスだよ」
…怒髪天をつく、なんて言葉じゃ足りなかったですね。
この人に不幸があればいいのに、と思った。
そして「よかったわねー、チャンスねー」と言ってやりたい、と思った。
そして、決めた。
わたしは、一生クリスチャンになんか、ならない。
死んでも、ならない。
……なっちゃったけど。

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先日、金沢洵『人間の叫び』(聖母の騎士社)という本を読んだ。この著者は、カトリックの方なのだけど、すんごい勢いでプロテストしている。
この方は脳性まひという障害を持っている。
あるとき、身なりのよいカトリック教会のご婦人から「おうらやましい」と言われて
「なら、変わってあげましょうか」と言い返したんだそうだ。
たしかに、主イエスは障害を「神のわざを顕れるため」と言ったけど、そのあと、その障害を取り去られた。一生その障害を背負って苦労して生きよ、とは言わなかった。主イエスのように障害を取り去ることもできない、ただの人間のくせに、障害がうらやましいなんて言うな、と。

神が、人とコミュニケーションをとるために、その人にとって不幸と感じられるようなことが与える、というのは事実だと思う。
でも、それは、本人が神様との個人的関係のなかで知るものだと思う。人ができるのは、せいぜい、聖書を見せて、こういう考え方もあるよ、と言ってあげる程度だと思う。
そして、本人が「私に神のわざが顕れている」と証言したとき、心から、その栄光をたたえればいいと思う。

ちなみに、例の、イエスから「神のわざが顕れるために」盲人である、と言われた男の話、じつは、後日談がある。
イエスによって目を開かれた男、その後、迫害にあって、社会復帰できなかったのである。「お前は全身罪にまみれて生まれたのに」なんて、当時の宗教者からひどいことを言われる。両親にさえ見捨てられる。もし弱い人だったら、絶望して死んじゃうかも。しかし、その状況を聞き知ったイエスは、彼を探しに行くのである。

「イエスは人々が彼を外へ追い出したことを聞くと、彼を見つけだして、言った。
『あなたは人の子(イエスのこと)を信じるか。』」(ヨハネ9章35節)

nikkouは、世間から見捨てられたと聞いて、必死になって彼を探し回っているイエスを想像する。彼が無事であるのを見つ出したとき、イエスは、ほっとしたかもしれない。きっとうれしかったと思う。(その辺のことは、ヨハネは書いていないから、nikkouの想像ね。)
「あなたは人の子を信じるか」というのは、「人の子(イエス)があなたの味方だってことを信じるか」という意味ではないかとnikkouは思う。
人の弱さ・罪深さと、社会的偏見などモノともしないイエスの強さ・大きさの対比が、じつに面白い一章なのであります。

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