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January 08, 2008

ベルセポリス

Photo 今、渋谷で「ベルセポリス」という映画が公開中。

すごい、観たい。

原作はマルジャン・サトラピ『べルセポリス』。

ほかに『刺繍』という本も翻訳されていて、昨年、イランにはまった勢いで読んだ。
イラン出身パリ在住のサトラピはグラフィックデザイナーで、
この本たちも、日本で言うところのまんが形式です。

彼女の著書には両方とも、サトラピのおばあちゃんが出てくるんですが、
この人が、もう、すんばらしいんであります。
聡明で、勇気があって、若々しくて、おしゃれで、セクシーで、経験豊富で、現代的。
はねっかえりの孫娘に理解を示しつつ、言うべきことはきっちり言う。

「恨みや復讐ほど最悪なことはない。いつも毅然として、自分に公明正大でいるんだよ」

というのが、おばあちゃんの忠告で、そしておばあちゃんの生き方そのものである。

息詰まるような社会で、人々がどのように感じ、どのように生きているか、ユーモアとペーソスたっぷりに語られている。

じつは、nikkouの書棚には大量のイスラーム関係書が眠っている。
昨年、讃美仲間の1人が「シオニスト=クリスチャン」であることを知って、あわてて買い集めたのだ。

「シオニスト=クリスチャン」ってのがどういう人たちをいうのか、わたしもよく知らないのだけど、
この友人の場合、まず、パレスチナにユダヤ人が入植したことは、神の意志である、と信じている。そして、全世界にちらばっているユダヤ人を説得して、パレスチナに入植させている(この友人は、翻訳作業を通してその手伝いをしている、という)。その結果、それまで某国で医者をしていたユダヤ人が、パレスチナでは食うや食わずになったりするという。
「えー、それって、かなり不自然な話なんじゃないの。中東の石油をねらっているアメリカの思惑にのせられてるだけなんじゃないの~」と
思わず口走ると、
「それはどこで聞いた話?」という。
「テレビ。」
「日本のマスコミは偏ってるんだよ」

…さようですか。
まあ、たしかに、あたしは、パレスチナはおろか、イスラームについてもユダヤについても、まったくの無知ですわ。
で、パレスチナ関連書と、それに類するイスラーム関係書を買い集めたってわけ。
ただ、まあ、そのうちね、と思って積読していたのです。

小説をきっかけに、一気にイスラーム革命を経験したイランへ導かれたわけですが、
なんだか、ミャンマーについて読みふけったときと、まったく同じ事態が発生中。
ヤスミナ・カドラやアーザル ナフィーシーが描く抑圧的なイランもイランなら、サトラピが描く聡明でセクシーなおばあちゃんもイランである。
革命や戦争はどの本にも描かれているけれど、とらえ方はそれぞれ微妙に違う。
怒りだったり、共感だったり、あきらめだったり、無視だったり…。
そして、イランという国がどんどん輪郭を失っていくと同時に、
イランの人々がどんどん身近になっていくのを感じる。

でもこれはちょっと、おもしろい感触でもある。
イランからパレスチナにむかって、このまま突き進もうか、思案中。
でもなんか、抜けられない深いもんが待ってそうで怖い。

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