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September 10, 2008

舞台「ドラえもん のび太のアニマル惑星」

Cni16770 先週末、鴻上尚史演出の「舞台ドラえもん のび太のアニマル惑星」を観にいった。
鴻上尚史好きのnikkouと、ドラえもん好きの相方の利害が一致した、というわけ。

「ドラえもん」の奇妙奇天烈マカ不思議な道具を、人間でもってどう演ずるのか、興味津津でしたが、
さすが鴻上尚史、タケコプターなどもユーモアたっぷりで、かつ自然体、
のび太もしずかちゃんもジャイアンもスネ夫も、ちゃんと、のび太しずかちゃんジャイアンスネ夫でしたし、
挿入歌やダンスも「ドラえもん」らしい楽天性にあふれていて、
とても楽しかった。

一方で、
なーんとなく、釈然としないところがあって、もやぁっとした気持ちで劇場を出ました。
相方がぽそっと「エンターテイメントに徹してくれればいいのに」とつぶやいたので、
あ、彼もおんなじような感覚だったんだなあ、と思った。

というのは、ところどころで舞台の上から、
自然環境破壊問題について、お説教されちゃったのであります。
どうやら、「ドラえもん」は、魔法のような「科学(?)道具」でもって楽天的な未来を予想させる夢マンガではなく
環境問題啓発マンガだったらしい。
われわれが現役で見ていたときからそうだったっけかなあ。

原作となった「長編ドラえもん のび太のアニマル惑星」は1990年公開、じつは、nikkouがかかわっている国語教科書に限っていえば、
90年代から急に、環境問題ネタが多くなります。
われわれが現役で子供だったころの国語教科書の思想は「反戦平和」と「人権尊重」でしたが、
現在そのへんはあまりあからさまでなくなりました。
逆に「環境問題」ネタは必須。
学年があがるにつれて、そこに「経済問題」「南北問題」「国際協調」「グローバリズム対ローカリズム」などなどが絡んできて、すげーややこしくなる。
「反戦平和」「人権尊重」のころは、「人間は存在するだけで素晴らしい!」という楽天性が根底にあったような気がしますが、
「環境問題」の現代、「結局、人間って、存在しないほうが良くない?」にひっぱられそうで、
今の子はたいへんやねえ、と思ったりしております。

そんな現代っ子であるわけだから、
学校でさんざん自然破壊だ、環境問題だ、エコロジーだって言われているはずなのに、
「ドラえもん」にまで言われちゃあ、ねえ、と
いささかしらけてしまったわけ。

一方で、ストーリー全体にはなんともいえない科学信仰みたいなのも同時に漂っていて、
「アニマル惑星」は、「すばらしい科学の進歩だ!」と絶賛されていたりする。
結果、
科学をうまく使えば、環境も守られて、植物も動物も人間もみーんな快適、すばらしい社会が到来するけれど、
使い方を間違えれば、環境破壊が進み、人間も滅んでしまいます、
みたいな話になっていて、
「そうか~?」と、ちょっと首をかしげてしまった。

「いっそのこと、科学に依存するのをやめちゃう、って話にはできないのかね?」と相方にいうと、
「そんなことをしたら、ドラえもん自体、存在しなくなっちゃうじゃん」とつっこまれた。
あ、そうか、「ドラえもん」は「すごい科学進歩」で生まれた存在でありました。

というわけで、
「ドラえもん」の楽しい道具をはじめとするエンターテイメント的な部分は十分楽しみつつ、
思想的な部分はえらい混乱しまくっているような21世紀をはからずも感じてしまった舞台なのでした。

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Comments

ドラえもん、長いねー。
私が小学生の時にマンガで登場したから。
数年前までは甥っ子や姪っ子を連れてよく映画を見に行きました。
ただ私自身の感覚では「キテレツ大百科」のほうが面白かったなー。
ecoとか平和とか考えながら見たことはなかったよ。

Posted by: Graham | September 11, 2008 at 12:18 AM

とてもよく分かって感謝します。何となく「これしかない」という感じで、悲しくもありますが。祖父

Posted by: すぎ | September 11, 2008 at 05:57 AM

>Graham兄

長いよね。
テレビでは、あんまり説教臭くないんだけど、なぜか長編になると、急に環境問題啓発マンガになる感じがする。

「キテレツ大百科」、コロ助なりね~。

nikkou的には藤子不二雄A系のこわ~いやつが好きかも。
ハットリくんも好き、にんにん。

Posted by: nikkou | September 11, 2008 at 11:31 PM

>祖父上

>何となく「これしかない」という感じで

というのは、
現代っ子たちの行く末のことですか?
なんともはや。
大人だって、教科書に載っている評論文を読んでいると、この先、どうしたらよいものか、って混乱してきますよ。

Posted by: nikkou | September 11, 2008 at 11:34 PM

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