煮凝りがでそう
『眠られぬ夜のために』第二部
「11月27日
もしわれわれが、自分にたいしても、また他人にたいしても、十分真実で純朴な態度でのぞむ習慣を身につけようとし、また実際そうすることができたならば、非常な進歩をとげるであろう。(以下略)」
(岩波文庫:大和・草間訳)
もうすこし、韓国の話、続けます。
日曜日は、新一教会にて、午前の礼拝、お昼の「日本語礼拝」そして、夕拝の三回、礼拝に出席しました。その三回とも、特別讃美をさせていただきました。
この日は朝からカルチャーショックの連続。教会に向かう地下鉄の中では、物乞いをする身障者の方に出会い、強いショックをうけました。
新一教会の大きさにもびっくり。そして午前の説教内容は、とても政治的。聴衆を見渡すと、食い入るように聞いていて、この国では、キリスト教会の政治的な影響力は大きいんだろうなあ、と思いました。
ここでも「we are one」と「主は道をひらかれる」の二曲を讃美しました。(みなさんやっぱり、手拍子がすこぅしずれていた。)
二曲の間に、リーダーのえっちゃんが
「DMZを見学して、朝鮮半島の人びとが負ってきたことを何も知らなかった自分を恥じ、悔いあらためました。」
と証し(スピーチ)をしました。nikkouも同感。DMZ見学から一夜明けて、自分が言えるのは、やはりそれ以上でもそれ以下でもないんだよな、と思った。それでも、この教会の長老さんは「素晴らしい証しだった」とおっしゃっていた。「知る」だけで、溝が狭まる、ということは確実にあるんだと思う。
昼の日本語礼拝は、日本語のできる年配の方と、それから、日本の興味のある方たち20人ほどが出席していました。日本語礼拝では「大切な人」を手話つきで歌ったのですが、涙ぐむ方もおられて、今回の聴衆のなかで、一番反応が良かった。
メッセージをされた伝道師の趙さん(写真右)は日本で育ったとのことで、一日中、通訳もしてくださいました。彼がそばにいると、ほっとしました。言葉が通じるだけで、こんなにも心理的な距離感がなくなるんだなあ、と実感しました。やっぱり、外国語はできたほうがいいなあ。ハングルも勉強してみようかな。
新一教会のおもてなしも、とても手厚く、もう、おもてなし「攻撃」だね、とおもわずささやきあってしまったほど。
たとえば、
韓国のりをダンボール一箱ずつ(!)お土産にくださったり、
長老さんのおひとり(金大中元大統領の防衛省副大臣だったという方)が、全員をホテルのディナーに招いてくださったり、
「韓国の十字架のネオンが見たい」とだれかが言えば、バスに全員を乗っけて高台まで連れて行ってくれたり、…もう、「おもてなし」に上限というものがありません。「おもてなし」をどぼどぼ注がれて、あっぷあっぷしちゃう感じ。
今後、nikkouの身近に、韓国から来日した人がいたら、思いっきりおもてなししてやるからな、とリベンジ(?)を誓いました。
そんなこんなで、本当に充実の3泊4日。ピアノのみゆきちゃんが、「濃すぎて、毛穴から煮凝りがでそう」なんて言ってた。同感です。
毎日カルチャーショックで気の休まる暇もなかったけど、カルチャーショックというのは、とても大切なことね。許容範囲が広くなるというか、自分の無知ぶりを知って謙虚になれるというか。
でも、これは、きっかけに過ぎないんだと思う。韓国に関する本をどんなに読んでも、韓国について報じたテレビを見ても、こんなにも強いインパクトを受ける事はないだろう。直接、韓国の生活に触れると、理屈などふっとんでしまって、ただ「真実で純朴な態度」にならざるをえない。
心底、韓国を愛し、韓国のために祈れるようになりたいと思いました。
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